The Show Will Go On

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    今更ながらJ.ウルリッヒの引退に関して。

    プロコンチネンタルチームで雌伏を図り、
    今シーズンはやり過ごして欲しいと思っていたが。
    結局プロライセンス発行の目処が立たず、彼はレース界を去る。
    「難しい決断だったが、内なる声に耳を傾けたい」
    と言う本人のコメントや、元監督W.ゴデフロートの
    「最早彼はかつてのレベルに戻る動機付けを取り戻すことは出来ない」
    との評価は、例え建前であっても、公の場で発せられるものではない。
    若くしてキャリアのピークを極め、敗北を知り、汚名を返上できずに
    引退を決意するのは、容易ではなかったろう。
    仮にオペラシオン・プエルトが虚偽にまみれたものであっても
    彼は2度と走ることはないのだろうか。

    一時はライセンス発行が期待されたオーストリアのプロコンチーム、
    フォルクスバンクのアドバイザーとして
    今後は自転車業界に関わっていくとの事。
    23歳でツールを獲った、過ぎるほどに早咲きの彼の経歴は、
    タイトなスケジュールのプロレースで潰れてしまうこともある
    若い選手の育成に貢献できることが多々在るに違いない。

    ツールでの記録が2位5回と、どうしても「エターナルセカンド」として
    見えてしまう意見が多いのだが、
    彼の走りは常に王者の風格を持っていた。
    ビッグギヤを踏み抜く脚力と、それを支える長いクランク。
    TTで見せる攻撃的な走りと、まるでそこが平地であるかと見まがうほどに
    安定した、そして変わらぬ山岳での力強さ。
    常にドラマに彩られたようなL.アームストロングの
    後塵を拝したかのように語られるが、1990年代と2000年代の境目で、
    世代交代を不必要に早められてしまっただけなのだと思いたい。

    J.ウルリッヒ(独)
    1993アマ世界選、
    1997ツール、1999ブエルタ、2000オリンピック、2001世界選TTと
    旧東独出身のエリートとして、評価に違わぬタイトル数を誇る。
    TTの速さと、山岳で粘れる強さは、M.インデュラインに匹敵するか
    それ以上とも思える、1990年代を代表する選手だった。

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